Kiss×Kiss
2010/09/28 Tue
m25
幾らか虚ろ気な色を孕む声に、グスタフは瞳を瞬いて返す。
疑問符が頭の上にぽっかりと浮かぶが、それを身咎められたのか再びゲーニッツに髪を引かれて毛根を苛められた。
引かれるたびに反射的に眉が跳ねると、眼の前の上司は楽しげに唇を歪める。
「眠りから覚める時は、瞼ではなく―――」
擦り寄せるように鼻先が近づいてくると、爽やかな風の香りが鼻孔を擽る。
まどろむような微風と共に、ゲーニッツの声が続いて言い聞かせた。
鼻先どころか、吐息までぶつかる近い距離感にグスタフの耳朶に熱が走る。
「唇が、良い。と、言ったでしょう」
叱るほど強くなく、けれど反論させるほど弱くない言葉と共に、
ゲーニッツは目覚めのキスを、薄く開いた唇に押しつけた。
こうして、甘やかな主従の朝はようやく明けるのである。
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まるでこの世の果てのように >>
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