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危ないカンパニー

2010/09/26 Sun
m25


オズワルドは突然の来訪者へ向けて口元の笑みを深くしながら、身体の向きを変えジェネラルを出迎える。
ワーカホリックの気があるオズワルドとて、ジェネラルに迎えに来てもらって嬉しくないはずがない。
笑みは自然と緩やかなものになり、常とは一線を画する穏やかなものになった。

「………」

しかし、ジェネラルは挨拶もせずに大股でオズワルドへの距離を詰めてくる。
口を硬く閉ざし、死線を幾度もかいくぐったプロフェッショナルの瞳がオズワルドを射抜く。

「………閣下…?」

常のジェネラルと比べて、違和感を覚えたオズワルドは確かめるようにその名を呼んでみる。
だが、その呼び声にすら応えようとしないジェネラルに嫌な気配を感じて、ジリ、と革靴の裏で床を擦った。
無意識のうちに半歩後ずさってしまったが、ジェネラルは後退を見逃さず、また許さなかった。
―――カァンと耳を突き抜ける音と共に目の前のジェネラルが消えて、瞬きするより早く目の前に現れる。

「………ッ!?」

零距離に現れた姿に驚いて身を引こうとするも、ジェネラルの反応速度の方が数段速い。
気がついたときには山積みになっている封筒が散らばって、業務連絡が書かれた書類が宙を舞っていた。
オズワルドの背中は広い作業台に叩きつけられ、強かに痛んだ。
一瞬の出来事に脳内処理が追いつかず、オズワルドは思わず慣れない大声を上げる。

「――――っ、閣下!」

しかし、その声に怯みもせずにジェネラルは獲物の肩を押さえ、行動と相反するように優しく首筋に口付けた。
皮膚越しながら、急所である頚動脈の上へキスを落とされて、ぐ、と呼吸が詰まる。
ジェネラルの唇に高い脈を伝え、反射的に手首を掴んでジェネラルを押しとどめようと試みた。
けれど、悲しい哉、どれほど力を込めても一線を退いた老体と、現役で軍務をこなす尖兵の間には埋めがたい差があった。
ビクともしないジェネラルに首筋を吸われて、痩せた肌に朱色が散る。
ジェネラルの唇に逆らえず、金色の口髭に薄い皮膚を撫でられては抵抗の力も殺げてしまう。

「――…ああ、すまない。ここでは隠しきれないな」
「そう、……思う、なら…ッ」

飄々とした態度に反論の言葉を掻き集めるが、当のジェネラルから謝罪の気配など欠片も見えない。

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[Serene Bach 2.23R]