角砂糖一つじゃ足りません
2010/09/24 Fri
m25
!注意
バルバトス×ジャギで甘い小話。
仲良く同棲してたりします。
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「アンタ、いつも砂糖なんて入れてたっけか?」
豆から直接搾り出したかと思うほど濃いコーヒーを片手に持ちながら、ジャギは思ったことを口にする。
バルバトスは食に対する拘りが薄く、甘かろうが辛かろうが大抵何でも食べる。
けれど飲み物に対してだけは多少の拘りがあるらしい。
ジャギが片手に持ったコーヒーがそれだ。
常であればそのコーヒーを何でもないような表情で黙々と啜るのだが、今日に限って砂糖を入れることを要求してきた。
首を傾げるジャギに取り合わず、バルバトスは本へと向けている視線を外し、ジャギに一瞥を送る。
その眼は、口ほどに雄弁で、ジャギはそれ以上なにも言うことはなく、軽く肩を竦めた。
「…へいへい」
細かい細工の角砂糖を一つとり、マグカップの中へと落とす。
熱に温められた白い塊は瞬く間にコーヒーに溶け、湯気に甘い匂いが混じった。
ジャギはティースプーンでコーヒーをかき混ぜる。
黒い水面が僅かに渦を巻き、液体の中で陶器と金属が当る鈍い音がする。
こんなもんだろ、と、ジャギはスプーンをコーヒーから引き上げると、隣に腰掛けるバルバトスへとカップを差し出した。
「出来たぜ」
「ん」
本に落とす視線を外さず、バルバトスは片手で受け取った。
褐色の手がしっかりとカップを捕まえ、そのまま口をつける。
コーヒーに混じる甘い匂いに、柳眉が僅かに皺を寄せた。
『…だから言ったじゃねぇか』
口には出さず、心中で突っ込みを入れる。
何時も咽るくらい苦いコーヒーを飲むバルバトスが、一体如何いう気まぐれなのか。
何がしたいのか良く分からない行動だが、そもそもバルバトスの考えることなどジャギにはほとんど分からない。
気付かれないように僅かに肩を竦めた後、ジャギも自身のカップに口をつけた。
「おい」
「あ?」
呼びかけに、ジャギの顔がバルバトスへと向く。
その後、瞬きの間すら挟まず、二人の唇が重なった。
「―――――ッ!?」
何の予告も無く唇を重ねられたジャギは驚愕を顔に敷き、悲鳴を上げた。
しかし声は全てバルバトスに奪われ、外に出ることはなかった。
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