天才は病人と踊る
2010/09/21 Tue
m25
一切の手加減のない技も、突き放すような物言いも。
全ての裏を返せば、アミバは聖人と呼ばれるトキの酷く人間らしい――若しくは若者らしい――感情をぶつけられる相手だということ。
それを別段、嬉しいとも鬱陶しいとも思わないが、トキも人間なのだな、とは思う。
「―――あれで…」
その、アミバだからこそ分かる。
如何に、トキが東方不敗を想っているか。
聖人らしからぬ世俗の色恋に惑っているか。
そして、東方不敗をみて分かった。
如何に、東方不敗がトキに心を砕いているか。
常識人と言われるあの男が、扉を蹴破るほどの暴挙が何に付随するものなのか。
「―――あれで、無自覚だと抜かすなら、よっぽどだぞ」
呆れを多分に含んだ声は、それでもアミバらしく茶化すように弾んでいた。
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