M25 ただの物置。

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!注意

ジェネラル×オズワルドでR18話。
年越しのお話で、まったり同棲してたりします。
糖度高めでいちゃついてます。


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塗りつぶしたような黒に彩られた空からは、細かい氷の結晶がチラチラと降り注ぎ、街の喧騒を呑み込み静寂を振りまいている。
そんな静かな夜を密やかに震わせるように、遠くから響く鐘の音を拾った。
ジェネラルは手にしたティー・カップをソーサーへと戻すと、隣に腰掛け、寄り掛かっているオズワルドへと視線を向けた。
硝子細工の美しいグラスに洋酒を満たし、それを舌に馴染ませるように少しずつ含んでは虚ろな視線を窓越しの夜空へと向けている。

「―――オズ、年が明けたぞ」
「ええ、そのようですね」

囁かれた言葉に釣られるように視線がジェネラルへと向くと、酒精の香りが一層濃く香る。
香りだけで酔ってしまいそうだが、それよりもトロリとした視線の方に酔いしれそうだった。
ジェネラルの心中を過ぎった邪な感情に気づいているのかいないのか、オズワルドは邪気のない笑みを浮かべて見せた。

「明けましておめでとうございます、閣下」
「おめでとう、オズワルド」

恒例の挨拶を交わし、オズワルドの手からグラスを奪う。
グラスと氷のぶつかる澄んだ音を聞きながらテーブルに置いてしまうと、隣から抗議を含んだ視線が突き刺さる。
正月休みとはいえ、夜更かしの習慣をつけると休み明けに苦労するのは必至だ。
ジェネラルは小さく溜息を吐くと、酒のお陰で血色の良くなった頬に手を滑らせた。

「そろそろ寝るぞ?」

まるで幼子に諭すように優しく促せば不満げに眉根が寄る。
折角取れた休みをもっと謳歌したいのか、単純に呑み足りないのか。

「……もう少し良いじゃないですか」

もっとジェネラルと夜を愉しみたいのでは、というのは余りにジェネラルに都合の良すぎる邪推だろう。
オズワルドはグラスへと手を伸ばし、酒宴を続けようとする。
それを緩く阻止しながら、どうしたものかと視線を天井へと投げた。
このまま付き合っても何ら問題はないのだが、後日必ず弊害があるのだと認識している以上、甘やかすのも憚られる。
ジェネラルは悩んだ末に一計を案じ、ゆっくりと口を開いた。

「―――姫始めでもするつもりか?」

熱の篭った吐息を耳に吹きかければ、ぴくり、とオズワルドの肩が跳ねた。
低音での囁きにも、情事を仄めかす言葉にも弱いオズワルドは、こうすれば必ずと言って良いほど素早く寝室に逃げ込んでしまう。
今夜もそれに乗じてしまえと、ジェネラルはこれ見よがしに腰のラインをなぞった。
けれど、返ってきたのは予想外の反応だった。

「お待ちしておりましたっ」
「え」

酒精で僅かに火照った顔に嬉しげな笑みを敷くオズワルドに、ジェネラルを度肝を抜かれる。
全く想定していなかった反応に、思わず間の抜けた声が漏れた。
オズワルドはそんなジェネラルを気にした風もなく、いそいそとソーサーとグラス、今まで味わっていたワインの瓶も片付けてしまう。
事態が把握出来ず固まっているジェネラルの手を取ると、そのまま寝室へと向かっていく。
そこで、漸く、ジェネラルが考えていた以上に呑み過ぎていたのだと理解した。
今まで酔ったところは幾度か見たが、此処まで顕著な酔い方は初めてだった。
心中で混乱の嵐を巻き起こしているジェネラルを尻目に、オズワルドはキングサイズのベッドへと乗り上げる。
手を引かれるままにジェネラルも乗り上げ、オズワルドの向かいへと座り込むと、主むろにオズワルドが居住まいを正した。
ピン、と伸びた背筋はそのまま傾き、ジェネラルに向かって頭が下げられる。

「今年―――とは言わず、今後も末永く宜しくお願い致します」

酔っているとは到底思えないほど、しっかりした声と、強い言葉に、ジェネラルは一瞬呼吸まで忘れる。
すぐさまジェネラルも居住まいを正すと、未だ頭を下げたままのオズワルドに倣った。

「こちらこそ、宜しく頼む」

お互いが頭を下げたまま、何とも言えない沈黙が流れる。
頭を下げながら、堪らない気恥ずかしさがジェネラルを襲い、緩々と頬に熱が溜まる。
言葉に込めた思いは本意ではあるが、こうも改まって向かい合うと羞恥が顔を覗かせる。
熱を上げているジェネラルと同じ感情に襲われているのか、オズワルドも頭を下げたまま小さく笑気を零している。
常の余裕とは掛け離れた羞恥を誤魔化すような笑みは密やかで、ジェネラルも釣られるように笑みを浮かべた。
暫く、そうして密やかな笑気が寝室を満たしていたが、オズワルドの長い腕がするり、とジェネラルの首へと回ったことで笑気が途切れた。

「では、新年も明けて、挨拶も終わったことですし」
「―――姫始めかね?」
「閣下が仰ったんですよ?」
「…………それを言われると反論のしようもないがね」

言葉を遊ばせながら、オズワルドは機嫌良さそうにジェネラルの服を寛げていく。
それに呼応するように趣味の良いシャツを乱している自身とて人のことをとやかく言えない。
シャツの鋲を外し、肌を露出させれば身体は正直に反応する。
オズワルド本人は老いた枯れたと言っているがジェネラルを魅了する色香は健在だ。
酒精のせいか、それとも気が昂ぶっているせいか、オズワルドの身体は温かく、ジェネラルは熱の篭った吐息を吐いた。
痩躯を抱き寄せ、露になった首筋に甘く噛み付けば、互いの熱が確かに上がったのを感じた。
そのまま細い肩に手を置いて、上体を倒すように圧を掛ける。

「―――閣下、少々お待ち頂けますか?」

常であればそのまま諸共シーツの海に沈むのだが、オズワルドの声で待ったが掛けられる。
思わぬ制止にジェネラルはオズワルドの鎖骨から顔を上げた。
切れ長の瞳はいつもと同じように―――いや、いつも以上に楽しげに笑っており、ジェネラルは小さく首を傾げた。
疑問には思うものの、制止が掛けられた以上、このままなし崩しに雪崩れ込むつもりはない。
無論、欲はあるもののオズワルドの制止を振り切るほど我を失ってはいない。
何よりも誰よりも紳士的に振る舞いたい相手だ。
ジェネラルは顔が視認できる距離まで身を離したが、それでも肩に添えた手は不動を保つ。
分かりやすい自分の反応に内心で苦笑するも、すぐさまオズワルドが口を開く。

「閣下、今夜は私がサービスします」

いっそ晴れやかとすら言えるほど輝かしい笑顔でオズワルドが高らかに宣言する。
その宣言でジェネラルに密かに浮かんだ苦笑は瞬間冷却も驚きの速さで凍りつく。
厳冬と騒がれている昨今でも、ここまで早く凍ることはあるまいと場違いなことに意識を飛ばしていると、ジェネラルが不動なのを良いことにオズワルドが下腹部に向けて上体を屈めた。
進む先は臍より下の、脚の合間。

「――――お、オズッ!?」

ズボンの止め具を外す音を耳が拾い、前が寛げられて下肢を冷気が襲う。
咄嗟に置いたままだった手に力を込めるも、それより早くまた熱を帯びない陰茎を引き釣り出されて指が引きつった。
肩に乗った手が不自然に引きつったことに気づかないはずはないのにオズワルドは手に収めた陰茎へ挨拶めくキスを贈る。
柔らかい唇の感触を先端に感じ、ジェネラルは鋭く息を呑んだ。

「オズ、オズワルドッ」

狼狽と制止の入り混じる声を出せば、封じるように指先が根元へと絡んだ。
オズワルドの攻勢はそれに留まらず、根元を細かく摩擦しながらゆっくりと亀頭を口腔へと招き入れる。
括れに舌を這わせ、唾液を擦り付けると熱い粘膜に刺激された陰茎が分かりやすく硬度を増した。
先走りと唾液が混ざる卑猥な音が響き、舌がゆっくりと裏筋をなぞっていく。

「ま、待ちた――ッ」

欲に濡れた声での制止など何の効果もないだろう。
育てられた熱は今や完全に起立しており、全てを含めなくなったオズワルドの呼気が熱源に当たりジェネラルの余裕を殺いでいく。
オズワルドは喉奥にまで熱を飲み込み、緩々と頭を前後へと揺らし始める。
擬似的な性交を思わせる刺激にジェネラルの喉が引きつった。
更に留めのように先走りと唾液の混じった淫液が伝う睾丸までを揉まれては抵抗のしようもない。
限界が近づき、先端が痙攣を起こすと、オズワルドが唇を尖らせて切っ先を吸った。
鋭利とも言える刺激に限界を突きつけられ、ジェネラルは渾身の力を込めてオズワルドを押しやった。
ずるり、と口から陰茎を引き抜くと、オズワルドの舌とジェネラルの熱源を唾液が繋いだ。
次いで、抗議めく視線が突き刺さり、ジェネラルは顔を伏せ頭を下げた。

「…もう少しだったのですが」
「―――オズ、オズ…、」

不穏な声が聞こえて、ジェネラルは思わず懇願するように名を呼んだ。
流石に新年早々そこまで奔放になるにはジェネラルの度胸が足りない。
そう思う一方で、そんなことを言い始めれば新年早々に何をしているんだと冷静な部分が鋭い指摘を飛ばしてくる。
頭にも下半身にも熱を溜めたジェネラルを見やってオズワルドはふふ、と笑みを零した。
酔っ払いとは思えないほどしっかりと笑われて、ジェネラルは顔を上げた。
てっきり不満そうな顔をしているものだとばかり思っていたオズワルドは予想外に上機嫌で笑みを深めている。

「―――オズワルド?」

訝しげに名を呼ぶも、笑み一つで黙殺される。
肩に掛かるジェネラルの手を掻い潜り、オズワルドが膝立ちで二人の間の僅かな距離を埋めた。
強く抱きついてくるオズワルドを条件反射のように抱き返せば、ちゅ、と小さなリップ音が鼻先に乗った。

「もっと、サービス致しますからね」

問い返す為に開いた唇をすぐさまオズワルドのそれで塞がれる。
接触は一瞬だったが、その後のオズワルドの動きは早かった。
僅かに腰を上げると、するりと長い足からズボンを抜き、そのまま寝台下へと落とした。
闇夜の中でも浮くように白い脚はすらりと長く、上着を着ていることで一層艶かしい。
うっかり見惚れてしまったジェネラルの首へと腕を回すと、そのまま腰を上げ、しっかりと勃ちあがった熱の先端を後孔へと宛がった。

「―――ッ」

意図を察したジェネラルは細い腰を掴むが、それでもオズワルドを止めるには足りなかった。
何の準備も施さなかった後孔は慎ましく閉じているが、オズワルド自身が零した先走りで濡れており、じりじりとジェネラルの熱を飲み込んでいく。
淫液の滑りによって何とか進んでいるものの挿入は決して容易ではなく、耳元をオズワルドの苦しそうな吐息が掠めた。
それでも沈んでいく腰が止まることはなく、狭い内壁を押し開く感触に追い立てられて腰が重くなる。

「――は、…ん…か、っか…ぁ」

甘い嬌声に、背筋をぞわりとした悦楽が走る。
折りたたまれた脚は細かく震え、シーツに皺を刻む。
労わるように腰を撫ぜると内壁が収縮して堪えきれないほどの締め付けが内側へと及ぼされる。
熱い吐息が肌の上で交じり合い、互いの境界が消えていく。
挿入に掛かる時間はもう後僅か。ジェネラルは奥歯を噛み締めて汗ばむ掌で腰を支えた。

「―――んッ」

けれど、汗ばんでいたことによって、掌が滑り、腰が一気に重力にひかれて落ちる。
性感を摩擦されたオズワルドは細い悲鳴を上げ、咄嗟にジェネラルに縋りついた。
背筋を震わせる快楽に内壁を締め付けた途端、今まで耐えていたジェネラルの糸が容易く切れた。

「―――――ッ、…え…?」
「……………」

熱い飛沫を体内に感じたオズワルドは衝撃に耐えた後、驚いたように目を丸くする。
それに気づいていながらジェネラルは視線を明後日に捨て、燃えるように熱い首筋を持て余していた。
幾ら追い詰められていたとはいえ、挿入だけで達してしまった気まずさは想像を絶する。
かと言って、抱き寄せる手の力を抜くことも出来ずにいると、オズワルドが笑気交じりの吐息を耳元へと吹きかけた。

「―――次は閣下がサービスして下さい、ね?」

きっと腕の中の恋人には、今後一生を掛けても絶対に勝てないのだろう。
ジェネラルは心中で大きく白旗を振りながら、目の前の身体に溺れていった。





新年早々熱い夜を過ごした翌日。
オズワルドが用意したお節に舌鼓を打っていると、お雑煮を用意したオズワルドがキッチンから顔を覗かせた。
にこにこと頬に笑みを刻むオズワルドの血色は良いが、僅かに掠れた声が申し訳ない。

「閣下、閣下」
「ん?」

そんな邪な感情を誤魔化すように栗きんとんへと箸を伸ばす。
黄金色の栗は、ほっこりと煮られており見た目にも美味しそうだった。
お雑煮の入った椀をテーブルへと置きながら、穏やかな低音が紡がれる。

「お年玉は現物支給で良いですか?」

ジェネラルの箸から栗が逃げ出してテーブルを転がった。





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