お気に召すままベッドの上で
!注意
ジェネラル×オズワルドの18禁話。
甘かったり、ご都合主義だったりするので注意。
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実は昨夜、私も彼も、正気では無かったように思う。
白い部屋、白い壁、ベッドには白いシーツがかけられている。
見間違えるはずもなく、此処はジェネラルの私室だ。
軍内にもプライヴェートルームを持ってはいるが、此処はジェネラルが個人的に借りている部屋だった。
仕事に私的なものを持ちこまないようにと、自らを律するために用意したものだ。
だが、元々無趣味に等しく、必要最小限で暮らす職業軍人のジェネラルにとって、長い間ダミーアドレスとしての意味しか持たなかった。
それが頻繁に使われるようになったはつい最近。
ジェネラルが半身を持ったことで、質素で無機質だった部屋は住居としての温もりを得た。
面白みない白ばかりで埋め尽くされた室内も良く見れば、枕元にはシックなシェードランプとアナログな目覚まし時計が並んでいる。
それを態々持ち込んだ酔狂者は今、ジェネラルの隣で緩やかな寝息を立てていた。
オズワルド。それがジェネラルの選んだ連れ合いの名前だった。
名前以外は簡単な経歴しか知らない。
興味がないと言えば嘘になるが、オズワルドが自ら話さないことを根ほり葉ほり聞くほど無粋な男を演じたくなった。
紳士的に振舞うオズワルドに対して、野蛮な軍人だと思われたくないだけかもしれない。
しかし―――…、
(しまったな…、まるで記憶がない)
ジェネラルは横顔をベッドに預けながら、浅く眉間に皺を寄せる。
僅かに解れた金髪が視界の横に流れて、オズワルドを隠す。
本当なら早めに起きて、オズワルドのためにミルクをたっぷりと入れたミルクティーでも淹れたい所なのだが、今はそれよりもやるべき事があった。
昨夜、オズワルドと飲みに行ったのは行きつけのバーだったと思う。
お互いに翌日の予定がなく、緊張していたのだろう。ジェネラルには店を出た記憶がなかった。
チラ、とオズワルドを見やれば、シーツから素肌の肩が覗いている。
寒そうに身を捩る彼へ当然のようにシーツを掛けなおしてから、溜息を重ねた。
ジェネラル自身も生まれたままの姿でオズワルドとシーツを共有しており、言い逃れは出来ない。
何があって、如何いった経緯を経たのかはわからないが、大体想像通りの展開だったのだろう。
其方側の欲が無いとは言わないが、我を忘れて没頭するほど若くはない。
「………ぅ…、ん」
小さな呻き声に合わせて伏せられたオズワルドの睫毛が上下する。
実はサングラス越しではないオズワルドを見るのも初めてのことだ。
いや、正しく言うなら昨日、同じベッドで見ているはずなのではあるのだろうが。
少し顔色の悪いオズワルドの頬に掌を宛がい、するりと撫でる。
呻き声を上げた唇は絆されるように息を吐き出して、瞼をゆっくりと持ち上げた。
切れ長の瞳に宿るのは、常の鋭い光ではなく、緩やかな淡い色だった。
その向こうにジェネラルは己の顔を見て、僅かに口角を持ち上げる。
「……おはよう、オズワルド」
かなり高く日が昇っているが、まだ正午前なので挨拶はおはようの内だ。
ジェネラルは頬を軽く引き寄せて、昨夜の行為で微かに熱を持っている目元に唇を押し付けた。
軽いバードキスで熱を浚い、オズワルドの心身を労わる。
相変わらず、記憶は飛んだままだが、気だるげな彼の様子だけで昨夜の振る舞いに当たりが付く。
ぼんやりとした瞳を向けて、オズワルドはジェネラルの首筋へ手を伸ばした。
頸動脈の上を戯れに触れて、掠れた声で挨拶を返す。
「……おはよう、ございます。……閣下」
無防備な急所を撫でられると居心地が悪いと言うよりも、擽ったかった。
僅かに首を竦めて、密やかな笑い声を零せば、今度はオズワルドの方から髭にキスを送られる。
お互い戯れに唇を肌に押し当てやって、無機質な寝室に艶のある音を漏らす。
乾いた肌を潤していくような、甘いキスが折り重なっていく。
ふと視線がぶつかり、オズワルドの瞳が刹那で瞬き、唇を弓なりに撓らせ笑った。
「昨夜を思い出しますか?」
「……………、」
そこでジェネラルからの舐めるような戯れのキスが止まる。
ジェネラルが沈黙を落としたお陰で、二人の間にしばし意味深な沈黙が流れた。
一瞬、誤魔化すような言い訳が脳裏をよぎったが、ジェネラルは頭を振って、素直に吐露しようと口を開く。
されど、その唇が言葉を吐く前に、オズワルドが唇を合わせてくる。
ほんのりと口唇から伝わるのは酒精の残り香、グレーンウィスキーの甘い味がした。
酒と同じ滑らかな感触を堪能し、オズワルドが唇を食むように声を続ける。
「みなまで言わずともわかります。私も相当飲みましたから」
「……君は何でもお見通しか、適わないな」
「いえ、私も二日酔いなんて何十年ぶりか忘れてしまいましたよ」
あやふやな記憶の中で甘いキスに伴う香りだけは覚えがあった。
もっと記憶を探りたくて、離れていく唇を名残惜しげに見送ってしまう。
そのあからさまな眼差しにオズワルドが切れ長の瞳を細めて見せた。
「……閣下、本日の予定は?」
「昨日も言ったが、ない」
まるで茶化されたような気がして、反射的に言葉を返してしまうが、口にした瞬間、ジェネラルは後悔した。
酒の席の話は覚えているくせに、その後の忘却を開き直ってしまったように聞こえたのだ。
しかし、オズワルドはまるで気にした風でもなく、楽しげに瞳を撓ませ、ジェネラルの予想通り茶化すように念を押してきた。
「本当ですか?」
「……しいて言えば、君を捕まえておくくらいだ」
「………おや、それは案外、大変な作業かもしれませんよ」
少し肌寒いのか、自らの肩をシーツに押し付け、身を捩る。
細い身体には削ぎ落とされたような必要最低限の筋肉がついており、紳士然としたシルエットが浮かび上がった。
こめかみを枕に沈めたまま笑うオズワルドはもしかしたら、二日酔いの頭痛に悩まされているのかもしれない。
ジェネラルは音もなく腕を持ち上げ、風をシーツに誘い込まず、オズワルドの耳に触れる。
「そうだろうか? ――…こうして、」
外耳のラインを撫でながら、腕を首裏に回し、背骨に沿わせて掌を下ろすと、力強く痩躯を抱き寄せた。
当然のようにもう片方の腕も追従し、両腕で輪を作ってオズワルドを捕まえる。
逃げないオズワルドを捕まえておくのは難しくない。
「二本の腕で事足りる」
体温同士が繋がって、温もりを共有すれば胸の奥から満ちていく。
オズワルドはジェネラルのやりように音もなく喉を振わせて視線を合わせる。
その瞳がどこか挑発的に思えるのは、初夜の朝を自覚しすぎないように力を込めているからだろうか。
「私が、ただ捕らわれて大人しくしていると思いますか?」
「やんちゃなのは君だけではない」
「確かに昨夜の閣下はやんちゃでしたが」
買い言葉に売り言葉でうっかり返せば、見事なカウンターを食らい、ジェネラルは一瞬言葉を詰まらせた。
ジェネラルもぼんやりとした靄のようなものであれば、ゆっくりと思い出してはきたが、直に指摘されると分が悪い。
オズワルドは然したる風もなく肩を竦めて見せる。
「君は…、……覚えて……」
「酒は飲んでも飲まれるな、と言いますからね」
「―――…すまん」
謝らないでください、と穏やかに笑うオズワルドに更に居た堪れなくなる。
昨夜のことははっきりとは思い出せないが、紳士的に振る舞った記憶は欠片もないし、自信もない。
私のオズワルドに何をした、と昨日の自分に問いかけたかったがそれこそ、後の祭りだ。
「閣下が酒精に強くないことを知りながら飲ませたのは私の方です」
「自分の酒量くらい把握している、私も同罪だ」
間近で視線を合わせながら、苦笑するように眉尻を下げるジェネラルへオズワルドは小さく笑う。
素肌で触れ合い、怠惰な朝を満喫しながら、堪らない幸福を感じて鼻先を摺り寄せ懐いた。
「貴方となら酒に飲まれるのも悪くありませんよ」
ちゅ、と軽い音が立つキスを落とせば、ジェネラルはそれ以上謝罪を続けることはなかった。
代わりに、何かを我慢するかのように眉間に皺を寄せて難しい顔をしてみせる。
その表情にオズワルドは細い瞳を揶揄めいて撓め、唇に吐息を吹きかけながら口を開いた。
「本日の予定が私に終始しているのなら、記憶を辿ってみるのも一興かと思いますが?」
「辿るだけでは済みそうにないな」
「リプレイの最中で、新たにゲームを始めるなんて良くあることですよ」
オズワルドの悪戯な指先がジェネラルの首筋を撫でて、太い鎖骨の上に指を走らせる。
分かりやすい誘い方にジェネラルは降参の白旗を閃かせるよう青い眼を撓らせた。
「君にとってはゲームかもしれんがね、私はやはり甘い駆け引きなど不得手のようだ」
「酒で誤魔化さないと先に進めない私も同じですよ」
「私は君に酔いたいのだがね」
「そっくりそのままお返しいたしますよ」
言葉をテンポよく遊ばせ、お互いに笑みをかみ殺し、三度目の起床儀礼のキスをした。
オズワルドの指先はすっかり腰まで降りていて、緩くジェネラルを引き寄せる。
唇を啄ばむように合わせながら、舌をするりと滑り込ませ、お互いの粘膜を刺激しながら濃い口付けの味を愉しむ。
微かな水音が朝の光に溶けきらず、淫気が室内を満たしていく。
朝から肌を合わせる倒錯的な状況にジェネラルも、そして誘ったオズワルドも気が昂ぶった。
「昨夜の私は、君にどんなことをしたのだろうかな?」
「………私が答えられる質問にしてください」
純粋な疑問として口にしたものの、オズワルドの眦に朱がサッと走って、ジェネラルはふむ、と逡巡する。
確かめるように細い腰のラインを撫でれば、僅かながら汗ばんでいた。
尾てい骨を中心に指先を躍らせて、腰を弄ればオズワルドの長い脚が微かに伸びる。
「では、質問を変えよう。昨夜の私はここに触れたかね?」
問いを投げかけながら、オズワルドの首元に顔をうずめ、肩に生ぬるい舌を這わせた。
言い当てられたからなのか、それとも接触が琴線を揺らしたのか、オズワルドの肩が小さく跳ねる。
答えは得られないものの、その反応が面白くて、鎖骨を唇で食むように擽れば、更にわかりやすく息が乱れた。
無駄な筋肉を削ぎ落とした細身の身体は、老いていてもジェネラルを惑わす。
首の付け根にキスを落とし、甘く吸い付けばうっすらとした朱色が散った。
彼の肌に己の印を刻んでいるのだと自覚すれば、下肢が熱くなる。
「ああ、ここには触れたようだな。君の肌に名残がある」
確かめる目的半分、言葉でオズワルドを嬲る目的半分で先客の鬱血をからかえば、浅く腰に爪を立てられた。
腰に走るささやかな痛みに、昨夜の残滓が脳裏に浮かんでは消える。
オズワルドなりの照れ隠しなのだろうと思えば、既に朱色の散る首筋に更に鬱血の痕を残す。
まるで独占欲を象徴するようで、いささか子供っぽい気もしたが、染まっていく身体の前では、まともな思考が掻き消される。
オズワルド、と思わず情動を吐き出すように口にすれば、吐息での相槌が返ってきた。
チラ、と視線を向ければ、高揚を孕む眼差しとぶつかって、心音が高く響く。
命を刈り取る者の鋭い瞳が、今は熱にとろりと蕩けていた。
微かに下がった眦も、流されまいと揺れている瞳も、酷くジェネラルを煽り、知らずの内に喉を揺らして唾液を飲み込んだ。
もっと乱れた姿が見てみたくて、顎を引き、胸板の突起に唇を寄せると微かにオズワルドの身が強張った。
「閣下、……そこは…っ」
男の性として、躊躇われる場所なのだろう。
それを承知していながらジェネラルはオズワルドの制止に従わず、胸にキスをおとした。
瞬間、オズワルドの細い首が綺麗に反り、喉仏が露わになる。
強く吸い付き、舌で転がしてやるとか細い声が唇より、次々と零れ落ちてきた。
徐々に芯を持ち始める肉粒に軽く歯列を埋め、先端を舌で濡らし弄ぶ。
「……ふ、…ぅ」
「もっと声を出したまえ」
唆すような吐息を胸に吹きかけると、オズワルドの眉尻が咎めるように小さく跳ねた。
それでも羞恥を感じるほどに弾力を増す突起を静かに笑い、下腹部にそろりと手を伸ばす。
熱を確かめるように腰から前へ下ると、すでに緩やかな熱を持ち、微かにシーツを持ち上げていた。
はしたないオズワルドを嗜めるように根元を軽く締め付け、裏筋を爪先で引っ掻く。
「ん…ッ、く、……っ」
声を押さえようと懸命に唇を合わせるオズワルドを手淫で追い詰める。
まるで自分の手の中に堕ちていく過程を見ているようで、ジェネラルの中のほの暗い欲望を満たすのだ。
「我慢することはない、気を楽にするんだ」
「……出来る、…わけ、が…ッ」
否定の言葉を続けようとするオズワルドの口を、緩やかなスライドによって黙らせると、ジェネラルは満足そうに突起を舐め上げた。
胸も下肢も、同時に攻めたてられて、オズワルドは息を乱し、身体を薄桃色に染める。
オズワルドは、いい年をして何を。と自分自身を叱咤するが、上がりゆく体温は誤魔化ししようもない。
しかも、ジェネラルの手淫は巧みだった。
同性でコツが分かると言う要素もあるだろう、オズワルドがジェネラルに惚れていると言う要素もあるだろう。
しかし、それにしてもジェネラルの指先は容易くオズワルドを高め、嬲った。
「………ッ、…ぅ…あ…っ!」
「そう、その調子だ。昨夜のように高く啼いてくれたまえ」
ジェネラルの言葉にオズワルドは一瞬だけ、何か言いたそうに口を開いたが、その唇が吐き出したのは甘い嬌声だけだった。
先端の括れを指腹で摩擦され、弱い部分から送られるダイレクトな刺激に腰が跳ねる。
切っ先から零れ落ちたとろとろとした先走りが、ジェネラルの指に絡んでくちゅくちゅと聞くに堪えないいやらしい音を立てる。
掌全体で棹を撫で上げると、肺の空気は鼻から抜けた。高い嬌声ではなく掠れた吐息が淫靡な空気に溶けていく。
「こちらもすっかり硬くなっている、わかるだろうか。オズワルド?」
胸の突起を甘噛みするように咥えられながら喋られて、ジェネラルの手の中で熱が大きく脈を打つ。
浅ましい身体を言葉でも嬲ってくるジェネラルを睨みつけたくても、眦に溜まった塩水が邪魔だった。
お蔭でオズワルドに出来ることと言えば、強く吸われた時に心臓を高く鳴らすことだけだ。
オズワルドの先走りでしとどに濡れたジェネラルの指先に高められ、下腹部に渦巻く熱が限界を訴える。
「か、閣下…、……も、…う…ッ、……っ」
「もう限界か? こと此方に関して、君はあまり堪え性が無いようだ」
からかわれるように笑われて、オズワルドは耳まで熱が行きわたる。
ク、と熱の先端を擦られ、絶頂に至る直前の刺激を幾度も送られ、息切れの中に掠れた嬌声が混ざった。
海より深い色の青の瞳に見つめられ、オズワルドは腰を揺らして解放を強請る。
それが、どれほどはしたないことかは知っていたが、既に理性で抑えられる衝動ではなかった。
自ら腰を揺らし、先走りで濡れた性器をジェネラルの大きな掌に擦り付けると刹那だけ驚いた気配がしたが、すぐに笑気と喜色にすり替わった。
しかし、待ち受けていたのは解放ではなく、放置だった。
するりと腕を引いてしまったジェネラルは、張り詰めた前を放り出し、身を起こす。
オズワルドは息を弾ませながら、ジェネラルを視線で追いかける。
従順な恋人の腰を労わるように引き寄せ、膝の上にオズワルドの下肢を乗せて断りもなく足を開かせた。
「な…ッ、………ぁ…っ」
あまりに羞恥心を煽る格好を強制されて、オズワルドは驚きとともに肘を寝台について上体を起こす。
だが、抗議を続けるより早くにジェネラルの濡れた指がオズワルドの秘所をノックした。
肘をついたまま顎を引くと、下肢を拓こうとするジェネラルの姿が見えて、身体が燃えるように熱くなる。
老いている分、見て楽しいはずなど決してないはずなのにジェネラルは楽しげに窄まりへ指を宛がい、ヒク、と小さく痙攣する孔へ指を沈めていく。
オズワルドの腰は細いが、ジェネラルの指は太い。
ゆっくりとした侵入だが、指が押し進むほどにオズワルドは体内を作り替えられる気がした。
蛇行を伴う指を隙間なく締め付け、何度も食んで、節の位置まで確かめる。
人の体温を内壁で感じながら、昨夜はもっと太く熱いものを受け入れたのだと思い出せば、改めて驚愕する。
無論、昨夜も理性など時の彼方、心身ともに熱に浮かされてはいたが。
「ん……、……――く…、ぅん…ッ」
ぐるりと内壁を抉られて息が詰まり、体内で空気が撹拌される音を聞く。
ジェネラルは細かく何度も指を曲げ、内壁を圧して具合を確かめ、オズワルドの弱点を探っていった。
オズワルドはなんとか己の性感を隠そうと奮闘するも、微かでも反応した場所に留まり、何度も擦ってくるのだから性質が悪い。
性腺を涙が視界を完全に覆うまで攻めたてられて、入り口の浅い場所を指腹で捏ねられると容易く陥落してしまう。
「は…っ、……ぁ、…閣、下…」
何とか上体を支えている腕にも痙攣が走り、がくがくと身体が揺れる。
放り出されたままの前ははち切れんばかり質量を有し、それでも後ろへの刺激だけでは足りなかった。
とろとろと先端から零れる先走りには白く濁るものが混じり、棹を濡らして卑猥に演出している。
「こんなところまで垂れているぞ、オズワルド」
「……ッ!」
人差し指を後孔に含ませたまま、親指の腹で会陰を撫でると粘着質な音が鼓膜を打つ。
その上、垂れた先走りを秘所まで伸ばし、より大きな音を聞かせてくるのだ。
ジェネラルの悪趣味を詰りたいが、口から出てくるのは母音を中心とした喘ぎ声ばかり。
悔し紛れにジェネラルの体躯に片腕を回し、抱き寄せるようにして背中へと爪を立てた。
鍛えられた肌は硬く、傷すらつかないが、オズワルドは縋るようにして背を引っ掻く。
「……ッ、――…オズワルド…」
「も…、いい、……です、……から…っ」
消え入りそうな声で懇願すると、本当に限界が近いのか、オズワルドの眦から透明な雫が零れて頬を伝う。
顎を引いて、羞恥心に苛まれながらも強請るのは、もはや解放ではなくて、その先だった。
「君は相変わらず、誘い方が上手いな…っ」
口元に笑みを敷きながらも、直接的な誘い文句に逆らわず、オズワルドを拓く指を引き抜いた。
引き抜く瞬間、オズワルドの腰から背中にかけて痙攣が走ったが、それを気遣えるほどの余裕はなかった。
オズワルドも内側の空虚に耐え難いように、ジェネラルの背に五指を押し当てる。
引力に従い、ジェネラルは既に熱を持つ男根でオズワルドの身体を貫いた。
「ぅ、ぁあ……ッ!」
「―――…く…ッ」
ミチミチと押し広げられる内壁はジェネラルの質量に慣れず、痛みを伴う挿入に溢れる涙が増す。
それでもジェネラルが腰を止めようとすると、オズワルドは耐えるように息を吐き出して奥へと誘い込む。
痛み以上の熱に浮かされながら、蠢動する体内が一つになりたがり、幾度も絶え絶えとジェネラルの名を呼ぶ。
隙間なく内側を満たしながら、オズワルドの性感帯を余すところなく擦り、呼び声には熱い口付けで応えた。
ぴったりと下肢同士がぶつかるまで深く繋がって、お互いの体温を誰より間近で聞き、熱が混濁していく。
もう、声も出せずに吐息ばかりを量産し始める身体に鞭を打ち、オズワルドが腰を捩れば、ジェネラルも応じて律動を始める。
初めは衝動を抑えるように緩やかに、されどオズワルドからしてみれば焦らされるばかりに過ぎない。
浅ましい身体を持て余しながらも、ジェネラルの優しさが嬉しくて、涙が止め処無く零れる。
徐々に早まるストロークが、オズワルドの中を満たして、内側の脆い場所を暴いていく。
「あ…っ、…は…ぁ…ッ、ん、ぅ…、んッ」
それに伴い、懸命に堪えていたはずの声も、ひっきりなしに鼓膜を打った。
その上、結合部から溢れる生々しい音や、粘性の高い水音が絡まって、五感が麻痺してしまいそうだった。
「あ…ッ、か…、…っ、――…う、ぁ…ッ」
触れられてもいない前は吐精を思わせるほど淫液に濡れており、ジェネラルの腹筋が時折、裏筋を擦って達してしまいそうな快楽がオズワルドを襲う。
けれども、一人で高みに上ることだけは嫌で、殆ど子供の駄々のようにジェネラルの背中に幾度も指を立てた。
「……ぅ、――…ぁあッ」
「オズワルド……ッ」
ジェネラルはオズワルドの稚気に感極まるように、背中に腕を回しなおし、そのまま細い体躯を抱き起こした。
当然、結合を解かず、膝の上に乗せるので、焼け爛れそうな熱がより一層オズワルドを深く穿つ。
深く収まっただけで達してしまいそうになるオズワルドの熱に指を絡め、欲望を戒めて下から勢いづけて突き上げた。
上背のある身体がしなやかに撓り、ジェネラルの齎す熱にオズワルドの内側から侵食されていく。
摩擦の度に途方も無い熱が生み出され、放埓な動きに翻弄されてオズワルドの身体は限界を迎えたがる。
「く、ぁッ、……は…ッ、…ふ、……あぁ…ッ!」
ジェネラルがスプリングを利用して、重い一打を打ち込むとオズワルドは身を震わせた。
ヒクヒクと切っ先が痙攣し、解放を訴えるオズワルドをそれに合わせて強く扱くと熱は容易く弾ける。
焦らされた末の白濁は濃厚で、ジェネラルとオズワルドの腹を白く汚し、内壁は感極まるようにジェネラルに絡みつく。
一段と強い締め付けに、ジェネラルも逆らえず、己の欲望の証をオズワルドの中に勢いよく浴びせかけた。
狭い内側を重い精液で満たして、奥までジェネラルの熱で濡らす。
脈打つ熱源に呼応して締め付けるオズワルドは一滴も零さず、ジェネラルの全てを受け止める。
熱い飛沫が腹の中を熱く満たし、泣き腫らした瞳の縁から一筋だけ新しい雫が零れた。
「……ぁ…、」
か細い声を最後にオズワルドの身体から力が抜け、ぐったりとジェネラルに凭れ掛かった。
ジェネラルも達した余韻に浸り、息も整わなかったが、オズワルドをしっかりと抱きとめ、汗ばんだ肌同士を重ねた。
言い知れぬ充足感と心地よい倦怠感に身を任せながら、二人で呼吸を落ち着ける時を稼ぐ。
しばし、そうして、数え切れないほど加速した心音にブレーキを掛けつつ、オズワルドは軽く頭を振って我を取り戻す。
白く弾けて霞がかる頭に何とかエンジンを掛けながら、乱れた金髪に頬を摺り寄せ、オズワルドはジェネラルへとゆっくり問いかけた。
「………思い、だしましたか…?」
「………ああ、」
「それは、何より…、ですね」
酸素の足りない肺は幾度もオズワルドの声を遮り、熱に浮かされた身を体現する。
気だるい身体を押して、ジェネラルへ軽口を投げるとオズワルドは満足そうに笑みを浮かべた。
幸せそうに微笑むオズワルドにジェネラルも笑みを重ねるが、ふと何か閃いたように目を細める。
それが酷く楽しげで、目敏いオズワルドはその眼差しに軽く首を捻って視線で問いかけた。
「閣下? ……なんですか、その凄く、いやらしい顔は…」
「いや、ここで未だだ、と言えば、君は付き合ってくれるだろうか、と?」
「…………、」
オズワルドは珍しくうまい返しが見つからず、答えに窮して押し黙った。
意識していないのに首筋が熱くなるのはジェネラル相手限定の仕様かもしれない。
僅かの間、視線を右に、左にと彷徨わせ、続く言葉を捜しているも、ジェネラルが誘うように腰を揺らしてきて慌てて取り繕う。
まるで結合部から零れる卑猥な水音を掻き消すように。
「ッ、…そんな言葉に引っかかるとでも、お思いですか?」
「君なら嘘と知りつつ、私とドンキホーテを踊ってくれると信じているのだが?」
「……、……もう、………仕方のない人、ですねぇ…ッ」
既に誤魔化しようもないほど赤くなった耳も、熱くなった首も、降参の意思表示でしかなかった。
挙句の果てに、ゆっくりとその首筋にキスを受ければ、抵抗のしようもない。
せめてもの仕返しに意識して、体内のジェネラルを軽く締め付け、膝に乗っているお陰で出来た高低差からジェネラルを見下ろした。
下から見上げてくるジェネラルの青い瞳の中に、昨夜と同じ顔をしたオズワルドの顔が映っていた。
ゾク、と背中を這うものに、再び情交の熱を意識しながら、誘う声をお互いに言い聞かせるように吐き出した。
「……どうぞ、閣下のお気に召すまま」
私の気が済むまで。と続ける前に、押し倒されて意識は業火に堕ちる。
オズワルドは回らない頭で、続きは明日の朝言おうと、ベッドと言う名の皿の上で考えた。
昨夜から続く晩餐は、まだ、終わらない。