M25 ただの物置。

理由なんていくらでも



!注意

グスタフ×オズワルドで18禁話。
オズさんとグスタフは師弟設定。
グスタフさんがやや駄々っ子でオズさんが弟子に甘いです。
捏造やヤリタカッタダケーを許容出来る方のみどうぞ。


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オズワルドが仕事を終えて、部屋へと戻ったのは、一足早いクリスマス色のイルミネーションが点灯する頃だった。
ロングコートに身を纏ったまま帰路へとつき、真っ直ぐに帰宅したオズワルドをまず出迎えたのが乱雑に脱がれた革靴で、次いで迎えたのが、ポールハンガーに掛けられた黒いコートだった。
オズワルドは自らも革靴を脱ぐと、先に転がっていた革靴もろとも靴箱へと仕舞い込む。
あとは、次に使う人間のことを考えない掛けられ方をしているコートを退かして、形を崩さないように二着ともハンガーへと掛け直した。
手を添えたコートは冷たく、掛けられてから随分経っているのだろうと想像がついた。
オズワルドは小さく呼気を吐くと、ゆっくりとリビングへと足を向ける。

「―――……グスタフ」

リビングの扉を開くと、やはり想像した通りの人物がソファに身を投げ出して寝転んでいた。
一歩を踏み出すと、足先にジャケットが丸まっている。
上司に対しては鬱陶しいくらいにマメなくせに、自らの事となればコレだ。
否、グスタフに言わせれば、手を出してしまうオズワルドが悪いのかも知れないが、そもそも此処はオズワルドの私室なのだ。
せっかくの快適空間を汚されたままなのは我慢ならない。オズワルドはジャケットを手に取ると、軽く払って椅子へと掛けた。

「いい大人なのですから、脱いだら片付けなさい」
「保護者面をするな。鬱陶しい」
「不法侵入者が何を偉そうにしているんですか」
「鍵も掛けとらん不用心さを悔いるんだな」

自らもジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩ませながら嗜めれば皮肉の応酬が始まる。
グスタフはいまだ寝転んだままで、小憎たらしいことこの上ない。
オズワルドはやれやれと肩を竦ませると、ソファを横切ってキッチンへと足を向ける。
夕食を作ってやるほどのお節介さはないが、冷えた指先を暖める珈琲くらいは淹れても良かった。
つくづく弟子に甘い自分には呆れしかないものの、弟子はやはり可愛いのだ。
それこそ、頭に『元』が付こうが、こんなにも捻くれ曲がっていようとも。
師匠という立場は因果なものだと小さく溜息を漏らしていると、前触れなく腕が掴まれた。

「―――……おや?」

掴んだのはグスタフであり、思わず歩みを止めるとそのままソファへと引き寄せられる。
意図が分からず、そのままソファへと倒れ込む。
流石にグスタフを潰す訳にも行かず、片手をソファの背に置いて体制を保つと、見下ろした無表情が僅かに緩んだ。
悪寒、とまでは行かないものの、十分に嫌な予感がオズワルドの背筋を這った。
ポーカーフェイスに走ったある種の緊張を察知したのか、グスタフが一層オズワルドを引いた。
年の差からくる腕力には勝てず、そのままずるずると距離を縮められ、まるで抱き込むように耳元に唇を寄せられた。

「付き合え、オズワルド」

耳を打つのは穏やかな低音。
年頃のお嬢さんであれば、一発でしょうね。と下世話な思考が脳を掠める。
しかし、オズワルドを誘うグスタフは、それ以上に下世話で悪趣味だ。
オズワルドは頭痛に耐えるように長い指をこめかみへと添えて、重々しい声を漏らした。

「老体に鞭を打たないでください」

恐らく、もう何を言っても無駄だろう、とは思う。
オズワルドとしては乗り気ではないものの、こうなってしまったグスタフを止められた例はないのだ。
これから酷使されるだろう我が身を憂いて、オズワルドは年相応に疲れた声を吐息に混ぜる。
それに応じたのは、大人ぶった低音だった。

「貴様が老体とは…フッ、よく言う」

オズワルドがサングラス越しにグスタフを見下ろすと、完璧な微笑を浮かべていた。
幼い頃から整った顔立ちをしていただけに、見下ろす顔は惚れ惚れするほどの男前だった。
少なくとも、見た目だけは。と心中で付け加えていると、オズワルドを引き寄せた腕が腰へと回り、これ見よがしに腰を密着させてきた。

「―――…冗談はその辺にしておかないと冗談ではすまなくなりますよ」

余りにあからさまに誘われて、オズワルドは眉間に皺を寄せて見せた。
どれだけ世俗に塗れたかは知らないが、もう少し上品に振舞えないものか。
グスタフに付き合うのは吝かではないものの、それなりの礼節を弁えていないというのは頂けない。
別に愛の言葉を囁けという無理難題は振らないが、こちらは疲れた身体を抱えているのだという認識は持ってもらわねば困るのだ。
オズワルドは腕を伸ばし、グスタフの額へと手を載せる。
前髪は整髪料で整えられているから、額は無防備だった。
オズワルドはグスタフが何事かに気づく前に、そこを鋭く指で弾いた。
長く器用なカードを操る指が空を切り、痛々しい音が室内に響く。

「―――-ッ」
「早いのは口と手ばかり。誘い方も心得ていない若造は帰りたまえ」

グスタフは咄嗟に弾かれた額に手を当てて見下ろしてくるオズワルドを睨みつけた。
無論、そんな眼光で怯えるような殊勝な性格はしていない。
鋭い視線を何処吹く風と受け流し、グスタフの顔の横に手を付いて上体を起こそうと試みる。
しかし、グスタフはそれを良しとせず、腕力に物を言わせて痩躯をひっくり返した。
かつては稚く弱い弟子であったとはいえ、今ではオズワルドを遥かに超える腕利きに成長した純然たる力に抵抗できず、視界は呆気なく反転する。
ソファへと押しつけられた身体は軋み、オズワルドは顔を顰めた。
仰々しく肩を竦めると、溜息を吐き出すために開いた唇を奪われる。

「―――…ん」

薄い唇同士を合わせて、数度角度を変えると、そのまま長い舌が進入してくる。
ぴちゃぴちゃと粘液を捏ねる音が口内に響き、互いの舌を絡ませあう。
何をされても白状する気はさらさらないが、グスタフとのキスは嫌いではなかった。
その手の誘いを幾夜も重ねてきたのだろうキスは巧みで、ゆっくりと瞼が落ちていく。
鋭い瞳が閉じられるのを待っていてたかのように、腰を捕らえていた手がサングラスに伸びて邪魔なそれを取り払う。
微かな音に、閉じられた瞼が僅かに開くが、グスタフの所作を許容するかのように再び閉じられた。
分かりやすく身体から力を抜くと、グスタフの手がネクタイを解くのを感じた。

「……仕方ない…子です、ねぇ……?」
「―――もう、黙れ」

口付けの合間に囁けば、寛げられた首筋に歯を立てられた。
老いた肌に歯列を埋めて舌で以って濡らして、舌腹で脈動を聞く。
べったりと接触する軟体が筋を辿るように上り、耳の裏に朱印を残す。
リップノイズが鼓膜を揺らし、遠くで衣擦れの音が絶え間なく奏でられている。
やはり、手が早い。と呆れたように思いながらも、人外然とした冷たい体温は悪くなかった。

「―――ふふ…」

冷たい手で身体のラインを辿られると、冷たさ以上にくすぐったかった。
思わず零れてしまった笑気にグスタフの片眉がぴくりと跳ねるのを気配で感じながら、オズワルドは片手で口を押さえた。
嬌声を抑えるように見える艶っぽい仕草に見えるが、その実、隠すつもりのない笑気を強調しただけだ。
グスタフは上下する喉仏に犬歯を立て、しっかりと締められているベルトを性急に緩ませるとそのままスラックスごとフローリングへと落とす。
露になった下肢に手を滑らせ、長い指で力ない陰茎を包み込む。
未だ熱を持ってはいないものの、冷たさに反応してオズワルドの身体が僅かに跳ねた。
グスタフは、鋭利なまでの冷たさを伝えるように、捕らえた陰茎に摩擦を加え始めた。

「―――……、……は…」

さすがにダイレクトな刺激には抵抗できないのか、オズワルドの吐息に熱が篭る。
けれど、その瞳には理性が残り、冷静にグスタフの一挙一動を眺めている。
グスタフは何とか快楽に溺れさせようと丁寧にオズワルドの熱を高めていく。
しかし、当のオズワルドと言えば、クツクツと密やかな笑気を量産するだけで理性の瓦解は程遠い。
こうなってくると、意地でも悦楽の海へと堕としたくなる。
余裕ぶったポーカーフェイスを崩して、卒のない紳士ぶった裏にある本性を暴いて詰って屈服させたい。
他者を虐げたいという獰猛さはオロチ一族の種族性ではあるが、オズワルドに対するとそれが特に暴れだす。
一時は自らの上に立っていた人物を引き摺り下ろしたいのか、或いは人の身であるくせに人外たるグスタフを子供扱いする老獪さが神経を逆撫でするのかは定かではないが、少なくとも冷静な瞳の正気を壊したいという欲求に違いはない。
グスタフは片手でオズワルドの身体を押さえつけながら、静かに身を引いた。
その動きにオズワルドが訝しがるよりも早く、僅かに角度づいた陰茎を口腔へと招き入れた。

「なッ!?」

思わぬ事態に、オズワルドから驚愕の声が漏れる。
片手で押さえつけていた身体が上体を起こそうと暴れ、長い腕がグスタフの髪へと絡んだ。
そのまま力に任せて引き剥がそうとするより早く、口内の欲に舌腹を押し当て根元を指で引っかいた。
長い足が露骨に引きつり、絡んだ指は髪を掻き乱すだけに終わる。

「―――」

基本的に、何をしようと抵抗というものを見せないオズワルドの反応が珍しく、グスタフは加えながら視線を上げた。
視線の先では、常のポーカーフェイスを崩し、本当に嫌そうな顔のオズワルドがいて、意図せず口角が持ち上がる。
見せ付けるように舌を出して裏筋をなぞり、先端にキスを落とせば歯列が軋む音が聞こえてくる。
溢れる先走りを舌で掬い、業とらしく音を出せば、眼光が一層鋭くなった。
命を摘み取るものに相応しい人相の悪さを露呈しているが、眦が朱色に染まっていては迫力などないに等しい。
グスタフは喉の奥で笑みを転がしながら、薄く塩水の張った瞳を嘲笑う。

「……見物だな?」
「―――ッの…馬鹿、弟子……ッ」

切れ切れの罵倒を聞き流し、グスタフは先走りと唾液によって濡れた後孔へと侵攻する。
慎ましく閉じている秘所を圧を掛けて押し開くと、舌の上で熱が跳ねた。
細かく痙攣を繰り返す熱に絶えず淫液を擦り付け、オズワルドの抵抗を封じ続ける。
意趣返しのつもりなのか、グスタフの頭に爪を立てた感触が伝わってきたが、グスタフはその抵抗を丁寧に溶かしていった。

「―――ふ…っぅ…ン…ッ」

薄い胸板を上下させ、性器は唾液と淫液でしとどに濡れている。
しっかりと起立した欲を笑い、グスタフは後孔へと含ませた指を旋回させた。
途端、オズワルドの身が大きく振るえ、陰茎の先から白いものが混じる淫液が次々と溢れ出してくる。
達するに至らないまでも、限界は近いのだろう。そう悟ったグスタフは、十分に解した秘所から指を引き抜いた。
去ろうとする細い指に媚肉が絡んで、長い足がピンと空を掻く。

「ん…ス、タフ…ッ」

オズワルドの呼吸は浅く、薄く開いた唇からは嬌声交じりの喘息が止め処なく零れている。
グスタフは僅かに身を起こして、オズワルドの顔を繁々と眺めた。
鋭い瞳に涙が滲んで、濡れた睫が小刻みに震えて恥辱に耐えている。
熱い吐息を吐き出す唇は赤く熟れ、薄いながらも思わず歯を立てたくなる程度には艶があった。
グスタフは嫌に乾いた喉を唾液で潤すと、散々嬲った秘所を断りもなく貫いた。

「んッ…―――――ッ」

衝撃にオズワルドの目が大きく見開き、細い首が綺麗に反った。
グスタフは誘われるように身体を倒すと唇を重ね、跳ねる痩躯を押さえつける。
欲求のままに薄い唇を歯列で甘く噛み、喉奥から零れてくる嬌声を残さず喰らい尽くす。
落ち着く暇すら惜しむように律動を始めれば、オズワルドの爪が煌き、スーツ越しの背を幾度も引っ掻いた。
互いの酸素を奪い合うようなキスを繰り返し、互いの愉悦を引き出すように腰を揺らす。
自己が堕ちるよりも早く相手を堕とそうとする性質の悪さはお互い様だ。
誰よりも近くで互いの体温を感じながら、視線で以って牽制しあうのは滑稽だと、冷静な部分が揶揄を飛ばす。

「グ…スタ…ッ…」

けれど、そんな冷静な部分ですら、トロリと溶けた眼差しに溶かされ、グスタフの中に残ることはなかった。










弟子の欲を解消して、オズワルドがソファへと沈み込んだのは、帰宅してから随分経ってからである。
仕事を終えたばかりの疲れた肉体で相手をしたのは軽率だったかとオズワルドが後悔していると何が楽しいのか、オズワルドの手首に噛み付いていたグスタフが口を開いてきた。

「風呂は沸いている。浸かってこい」
「……どうしてその一言が帰宅直後の私に言えないんですか…」

帰宅直後に、グスタフの口からそんな殊勝な言葉が出れば、裏があると思いつつもオズワルドは絆されただろう。
無論、それでも行為を快諾することはなかろうが、オズワルドとしての心象はまるで違う。
睨みを利かせて気の利かない弟子を詰れば、返ってきたのは子憎たらしい笑気のみ。

「“元”師匠曰く、馬鹿な弟子らしいからな」

オズワルドは当然の報復として、グスタフの額に手をかけると、そのまま力に任せてフローリングへと叩き付けたのだった。



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