モーニング・コール
!注意
グスタフ×オズワルド?の師弟設定小話。
オズさんがグスタフ大好き。キス描写有り。
嘘設定、別人臭、妄想全開等苦手な方は要回避。
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年齢故か、職業柄か、オズワルドは朝にとにかく強い。
昨夜とて寝た―――むしろ、気を失った―――のは空が白ばむ刻限だった。
けれど、身体は無意識に朝を感じては意識を覚醒させる。丁度、今朝のように。
「―――…ああ、もう朝ですか」
掠れた声で呟きながら、欠伸を噛み殺す。
寝台を僅かに軋ませて身を伸ばすと、ようやく人心地ついた。
次いで、隣で寝入る朝寝坊の肩を揺すった。
「グスタフ、朝ですよ」
「………」
目覚める気配もないのはいつものことだ。
このまま放置しておいて、数時間後に焦った顔を見るのも悪くなかったが、オズワルドはあえて起こす方を選んだ。
呼気を震わせるように静かな笑みを零し、細身の身体を引っ張って起こす。
ぐにゃり、と。
常からは考えられないほど弛緩しきった身体に、抱きつくようにして背後にクッションの小山を築く。
グスタフの背をもたれかけさせると、そのままズルズルと横に倒れそうになる。
オズワルドは手慣れたように片手で阻止すると頬を緩ませた。
「こら、しゃんとなさい」
笑気を混ぜて小さく叱るも未だ眠りの海を漂うグスタフには聞こえない。
オズワルドも特に返事を必要としておらず、気にしたふうもなくベッドから降りてクローゼットへと向かう。
定位置に仕舞ってあるインナーとシャツを手にとると再びベッドに乗り上げ、グスタフに着せていく。
「腕、通しますよ」
「ちょっと背中離して下さい」
「顎、上げれますか?」
小さな声量での呼びかけにグスタフの身体が微かではあるがそのように動き、着衣を手伝う。
「……やれやれ、」
あとはジャケットとネクタイをすれば完成だが、その前にちゃんと覚醒して貰わなくては。
オズワルドは手を顎に宛てて思案する。
耳に舌を這わせて低音を叩き込むのは昨日やったばかり。
安らかな眠りを妨げて、欲情を誘うように身体の随所に朱印を刻むのも一昨日やった。
今朝はどうやって驚かせましょうか…と、頗る質の悪い思案を深めるオズワルドは、閃いたようにぽん、と手を打つとキッチンへと姿を消した。
次にオズワルドが寝室に現れたとき手に持っていたのは湯気の立ったマグカップだった。
カフェインの香ばしい香りが室内に満ちる。
「…さて…」
オズワルドは大層愉しげに笑みを深めると、それを一口含んだ。
コーヒーは舌を焼くほど熱い。
喉にも舌にも優しくないそれを、オズワルドはグスタフに口付けると舌を使って口内へと流し入れた。
オズワルドの口内で多少温まったとは言え、未だ十分過ぎるほど熱いコーヒーがグスタフの喉を焼く。
痛みすら伴う熱さに、閉じられていた瞼が開き、覚醒したのが見て取れた。
オズワルドは唇を合わせながら喉奥で笑い、舌を持ってしてグスタフの口内にコーヒーを塗りつける。
「―――…おはよう、坊や」
離れた唇が紡いだ言葉に、爽やかな朝に殺気が満ちた。
その凍てつくように冷たい殺気を受け流しながら、明日の朝に思考を向ける。
明日の朝は、缶コーヒーでも凍らせておきましょうか。
オズワルドはそれはそれは愉しげに笑うと、香り高いコーヒーをこれ見よがしに飲んだのだった。